建設業許可の29種類の業種③ とび・土工工事業
2020年12月15日とび・土工工事業 |
今回は「とび・土工工事業」を見ていきましょう。ややこしいですが、この業種で扱う工事の種類は「とび・土工・コンクリート工事」です。
この業種は扱う工事の範囲が広く、他業種との境界も非常に複雑です。
とび・土工・コンクリート工事に該当する工事内容 |
1 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て 2 くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事 3 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事 4 コンクリートにより工作物を築造する工事 5 その他基礎的ないしは準備的工事 |
それぞれを見ていきます。
1. 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て
とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事
2. くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事
くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
3.土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
4. コンクリートにより工作物を築造する工事
コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事
5. その他基礎的ないしは準備的工事
地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事
他の工事との境界線がややこしいので、国土交通省のガイドラインから抜粋したものを載せておきます。
◯『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」、『石工事』及び『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方は以下のとおりである。 根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等が『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」である。 建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等が『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」である。 コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」であり、エクステリア工事としてこれを行う場合を含む。 ◯『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」と『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」との区分の考え方は、鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」であり、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」である。 ◯『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は、現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」である。 ◯「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当する。 ◯トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当し、いわゆる建築系の防水工事は『防水工事』に該当する。 ◯『とび・土工・コンクリート工事』における「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいい、建築物に対するモルタル等の吹付けは『左官工事』における「吹付け工事」に該当する。 |
とび・土工工事業の専任技術者の要件 |
1.資格者
該当する工事の範囲が広い分、認められる資格も他の業種と比べてかなり多いです
※ピンク色は、資格のみで特定建設業の専任技術者になれる資格です
◯1級建設機械施工技士
◯2級建設機械施工技士(第一種~第六種)
◯1級土木施工管理技士
◯2級土木施工管理技士(土木)
◯2級土木施工管理技士(薬液注入)
◯1級建築施工管理技士
◯2級建築施工管理技士(躯体)
◯技術士:建設・総合技術監理(建設)
◯技術士:建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
◯技術士:農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)
◯技術士:水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
◯技術士:森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
◯1級とび技能士
◯1級型枠施工技能士
◯1級コンクリート圧送施工技能士
◯1級ウェルポイント施工技能士
◯2級とび技能士+合格後3年間の実務経験
◯2級型枠施工技能士+合格後3年間の実務経験
◯2級コンクリート圧送施工技能士+合格後3年間の実務経験
◯2級ウェルポイント施工技能士+合格後3年間の実務経験
◯地すべり防止工事士+登録後1年以上の実務経験
◯基礎施工士
◯登録橋梁基幹技能者
◯登録コンクリート圧送基幹技能者
◯登録トンネル基幹技能者
◯登録機械土工基幹技能者
◯登録PC基幹技能者
◯登録鳶・土工基幹技能者
◯登録切断穿孔基幹技能者
◯登録エクステリア基幹技能者
◯登録グラウト基幹技能者
◯登録運動施設基幹技能者
◯登録基礎工基幹技能者
◯登録標識・路面標示基幹技能者
◯登録圧入工基幹技能者
2 .土木工学、建築学に関する学科を卒業しているとび・土工・コンクリート工事の実務経験者
大学卒業でとび土工コンクリート工事の実務経験3年以上
高度専門士又は専門士(専門学校卒業)でとび土工コンクリート工事の実務経験が3年以上
高校卒業でとび土工コンクリート工事の実務経験5年以上
専門学校(専修学校専門課程)卒業でとび土工コンクリート工事の実務経験が5年以上
3 .とび・土工・コンクリート工事の実務経験が10年以上ある者
とび土工コンクリート工事の実務経験が通算で10年以上ある(資格・学歴は不要)
※特定の専任技術者になるには、1の特定の専任技術者になれる資格を持っている or 1.2.3のいずれかに該当し、かつ元請として4,500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験のいずれかが必要になります。