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公共工事に参入 経営事項審査から入札参加資格申請まで

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公共工事に参入 経営事項審査から入札参加資格申請まで

2021年02月05日
公共工事に参入 経営事項審査から入札参加資格申請まで

公共工事に参入するには「経営事項審査」というものが必要になってきます。

「経営事項審査」とは何か、その手続きと入札に参加できるまでの流れを見ていきます。

 

経営事項審査について

 

経営事項審査

 

経営事項審査とは、国や地方公共団体等が発注する公共工事を直接請け負おうとする建設業者が受けなければならない審査のことです。

公共工事とは、発注者が国、地方公共団体、特殊法人等の場合で、民間企業や個人等からの発注と区別されています。「公共工事の発注者から直接請け負おうとする建設業者」、つまり元請の立場になる建設業者が受けなければならない審査であるということです。下請負人として公共工事に参加する場合には、経営事項審査を受ける必要はありません。

経営事項審査は、国土交通大臣の定めた4つの項目によって審査が行われます。4つの項目で評価され、最終的いは許可業種ごとに点数(「総合評定値」(P))が付与されますが、その点数は全国一律の基準によって算出されます。

 

➀経営規模(x1、X2)

工事種類別年間平均完成工事高、自己資本額・平均利益額

➁技術力(Z)

業種別の技術職員数、工事種類別年間平均元請完成工事高

③その他の審査項目(社会性等)(W)

労働福祉の状況、営業継続の状況、防災協定締結の有無、法令遵守状況等

➃経営状況(Y)

経営状況分析

 

経営事項審査の点数は、審査基準日(決算日)から1年7ヵ月有効です。有効な点数が無くならないよう、経営事項審査は事業年度ごとに審査を受けなければなりません。

 

▼建設業法

(経営事項審査)

第二十七条の二十三 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

2 前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。

一 経営状況

二 経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項

3 前項に定めるもののほか、経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。

 

公共工事とは

 

経営事項審査は、国や地方公共団体等が発注する公共工事を直接請け負おうとする建設業者が受けなければならない審査であると説明しましたが、そもそも公共工事の定義な何でしょうか。

公共工事とは、公共性のある施設又は工作物に関する建設工事であって、発注者が国、特殊法人等又は地方公共団体となる工事のことをいいます。「公共性のある施設又は工作物」とは、建設業法施行令第15条で次のとおり具体的に定められています。

 

1鉄道、軌道、索道、道路、橋、護岸、堤防、ダム、河川に関する作物、砂防用工作物、飛行場、港湾施設、漁港施設、運河、上下水道

2消防施設、水防施設、学校又は国若しくは地方公共団体が設置する庁舎・工場・研究所・試験場

3電気事業用施設(電気事業の用に供する発電・送電・配電又は変電その他の電気施設をいう)又はガス事業用施設(ガス事業の用に供するガスの製造又は供給施設をいう)

4前各号に掲げるもののほか、紛争により当該施設又は工作物に関する工事の工期が遅延することその他適正な施工が妨げられることによって公共の福祉に著しい障害を及ぼすおそれのある施設又は工作物で国土交通大臣が指定するもの

 

これらの公共工事の契約は、そのほとんどが入札制度によるものです。

また公共工事は国民の税金で運営されているため、民間工事以上に適正な施工の確保のための2つの条件が要求されます。

 1つ目の条件は、技術者や財務基盤、工事実績などに関して一定基準を満たすことです。これを客観的に判断する者が経営事項審査(以下「経審」)なのです。

 2つ目の条件は、公共工事を発注する国や公団、都道府県市町村などが独自で、経審の結果に工事の完成具合などの工事成績や工事経歴の主観的事項を点数化して、その受注できる工事の範囲を決めることです。これを入札参加資格審査といいます。入札参加資格は発注者ごと(大阪府や大阪市など)に必要で、建設業者に資格を与えるかどうかの審査は発注者が行います。点数に応じて「S・A・B・C・D」のような「格付け」がされます。この格付けにより、入札に参加できる工事の規模が変わるという仕組みです。

 例えば、国土交通省が発注する土木工事で契約金額が5億円の工事を請け負う場合、「B」等級以上の資格を有していることが条件となります。

※等級は各都道府県・工事の種類によって様々です。

 

経営事項審査の手続きの流れ

 

経営事項審査の審査項目

 

経審は、大臣許可の場合は、国土交通省、知事許可の場合は都道府県知事の審査を受けることになります。

審査項目は次の6つに大別されます。

[X₁]工事種類別年間平均改正工事高の評点

[X ²]自己資本の額及び利益額に係るものの評点

[Y]経営規模の評点

[Z]建設業の種類別技術職員数及び元請完成工事に係るものの評点

[W]その他の審査項目(社会性等)の評点

[P]総合評定値

 

総合評定値[P]は、経営状況分析[Y]と経営規模等評価[X][Y][Z]の結果により算出した各項目を総合的に評価するものです。

[Y]の経営状況の評点は、その内容が専門的な財務諸表の分析が中心となることから、国土交通大臣の登録を受けた「登録経営状況分析センター」に審査が委任されています。

 

経営事項審査の申請の流れ(大阪の場合)

 

 

決算変更届の作成

まず事業年度が終了すると、決算変更届を作成します。これは経営事項審査(以下「経審」)を受けようが受けまいが変わりないです。決算変更届の提出書類である「様式第二号工事経歴書」の書き方が、経審を受ける場合と受けない場合で変わります。また財務諸表などは全て税抜きで作成します。

経営状況分析の申請

決算変更届の作成ができましたら、「経営状況分析」というものを受けます。これは企業を会計的な立場から点数化するもので、登録経営状況分析機関へ申請します。

大阪の経審の手引きには、決算変更届を大阪府へ提出してから経営状況分析の申請となってますが、決算変更届を大阪へ提出する前に経営状況分析の申請を行った方がいいと思います。先に決算変更届の提出を行ってしまうと、経営状況分析で修正を受けた場合、決算変更届の訂正書を提出しないといけないので、経営状況分析の申請を先に行っておいた方がいいと思います。

経営状況分析は、機関によりますが申請してから3日~1週間ほどで審査結果が出ます。

経営事項審査申請の予約

次に経審の予約を取ります。書類が揃っていても、予約をせずにいきなり窓口に行ってしまうと受け付けてもらえないので、必ず予約を取りましょう。大阪府の場合、咲洲庁舎1階の建築振興課にある予約票に記入するか、FAXで行います。

申請

予約日になったら、必要書類を揃えて申請に行きます。

結果通知書の受領

大阪の手引きによると申請書を受理し、補正などが解消された日から 22日程度で結果通知書が発送されます。

 

経審結果

↑これが届きます。

 

入札参加資格申請

 

大阪府の入札参加資格の種類

 

経審が終わり結果通知書を受け取ると、次は入札参加資格申請の手続きに入ります。

入札参加資格申請は、各省庁、自治体ごとに行います。例えば、大阪府で入札参加資格申請をすれば、大阪府が発注している工事、大阪市で入札参加資格申請をすれば、大阪市が発注している工事の入札に参加できます。

大阪府の入札参加資格登録には、

「建設工事競争入札参加資格」
「建設工事一般競争入札(特定調達契約)参加資格」
「経常建設共同企業体入札参加資格」

の3種類があります。

建設工事競争入札参加資格大阪府が発注する建設工事の競争入札(特定調達契約を除く。)に参加できます。
建設工事一般競争入札(特定調達契約)参加資格政府調達に関する協定の取扱いに関し定められた、「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」による契約を対象とした、大阪府が発注する一般競争入札に参加できます。
予定価格が23億円以上の国際競争入札となります。
経常建設共同企業体入札参加資格大阪府が発注する建設工事競争入札(特定調達契約を除く。)に参加できます。
建設工事競争入札参加資格者名簿に登録されている者から構成され、継続的な協業関係を確保することにより、経営力・施工力を強化する目的で結成された建設共同企業体である必要があります。

 

入札参加資格申請の流入札れ

 

以下は大阪府の「建設工事競争入札参加資格」の「随時申請」の「新規」の場合の流れになります。

大阪府の場合、電子申請と書類の郵送になります。

 

 【建設工事等】入札参加資格登録 

         ここにアクセス

入札参加資格資格申請➀

↑ここの「電子申請」というところをクリックすると

 

大阪府 電子申請システムが開きます。

ここの「建設工事」をクリックします。

 

入札参加資格申請➁

 

大阪府建設工事競争入札参加資格審査申請というページが開かれます。

入札参加資格申請の流れ③

 

ここの「新規申請 (初めて登録する方)をクリックします。

 

④大阪府建設工事競争入札参加資格新規申請という申請のページが開かれます。

※この電子申請はMicrosoft EdgeやGoogle Chromeなどには対応しておらず、Internet Explorerのみのようですので、申請はInternet Explorerで行いましょう。またその際に必要な環境設定がありますので、下記のページにある、クライアント環境設定マニュアルに従い、環境設定をしてください。

入札参加資格申請の流れ④

 

入札参加資格申請の流れ⑤

 

このように情報を入力していく欄が出てきますので、必要事項を入力していきましょう。

最後まで入力し、入力事項に間違いがないか確認し終わったら、申請ボタンをクリックし、申請が完了します。

申請データが送信完了すると

 

入札参加資格申請の流れ⑦

 

 

この画面になります。

ここの「ユーザーID」と「パスワード」は、今後、申請の進捗具合の確認などに必要なので、必ず印刷するか、メモするなどして、保存しましょう!

 

メールが届く

電子申請が完了すると、大阪府から「【大阪府電子申請システム】 申込み到着のお知らせ」というメールが、申請時に登録したメールアドレスに届きます。

これで電子申請による入札参加資格申請は終了です。

 

書類を郵送する。

電子申請が終了すると、速やかに必要書類を郵送しましょう。

「新規申請」の場合の、申請者全員が必ず提出する書類が以下のものです。

 

 書類名形式備考
1郵送書類一覧表様式指定・チェックリストで必要書類を確認し、提出書類の一番上に添付
2府税(全税目)の納税証明書
【大阪府の府税事務所が発行】
原本or コピー

・「府税及びその附帯徴収金について未納の徴収金の額はありません。」と記載された証明書
※請求証明事項は、「府税及びその附帯徴収金について未納の徴収金の額のないこと」
※徴収金の種類は、「全税目」

・発行後3ヶ月以内のもの
3消費税及び地方消費税の納税証明書
【税務署が発行】
原本or コピー

・消費税及び地方消費税について未納がないことの証明書

・証明書の種類は「その3」(「その3の2」「その3の3」でも可)
※証明を受けようとする税目は、「消費税及び地方消費税」
※「その1」の提出は不可
※電子納税証明書(電子データ)の提出は不可

・発行後3ヶ月以内のもの

4経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書(経営事項審査結果通知書)コピー・有効な最新のもの

※2の府税(全税目)の納税証明書は、建設業許可申請や決算変更届に添付する納税証明書とは異なりますので、請求誤りのないよう注意しましょう。

※消費税及び地方消費税の納税証明書は、申告所得税や法人税の納税証明書ではないので注意しましょう。

 

他、条件に応じて必要書類が異なってきますので、建設工事競争入札参加資格で確認できますので、間違いのないよう書類を揃えて郵送しましょう。

その後、大阪府の方で、電子申請した内容と、郵送した書類で審査をし、入札参加資格の認定が行われます。

 

以上が大阪府の入札参加資格申請の申請までの流れです。

弊所ではもちろん経営事項審査の資料作りも行っていますので、お気軽にお問合せください。

 

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