主任技術者と監理技術者 ③【特定専門工事】
2023年02月07日建設業許可業者は主任技術者・監理技術者を配置する必要がありますが、特定専門工事に指定された工事を行う下請業者は主任技術者の配置が不要になる場合があります。
今回はその特定専門工事について見ていきます。
概要 |
建設業界の人手不足が深刻化している中で、一定の資格(実務経験者を含む)を持った『主任技術者』の配置義務は多くの下請の建設業者にとってかなりの負担になっています。
そこで、令和2年の建設業法改正で、以下の要件を満たす工事の下請業者は、主任技術者の配置を省略できることになりました。
➀対象となる工事 鉄筋工事 型枠工事 ➁特定専門工事にかかる下請代金の合計 4000万円未満 ➂手続きの要件 元請が注文者に書面で承諾を得ること 元請と当該下請が書面による合意をすること ➃元請が配置する主任技術者の要件 元請の主任技術者が、当該特定専門工事と同一の種類の建設工事に関し1年以上指導監督的な実務の経験を有すること 当該特定専門工事の工事現場に専任で置くこと 本来下請が配置すべき主任技術者の職務を行うこと |
参考:建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案
注意点 |
この制度を使用する際は、以下の点に注意する必要があります。
まず、主任技術者を置かないこととした下請業者は、その下請に係る工事を他人に請け負わせてはいけません。
また、監理技術者の配置が必要な工事の元請では、この規定を適用することはできません。
まとめ |
今回は特定専門工事について見てきました。
主任技術者の配置が不要になるのは小さい業者さんにとってはかなり大きいと思います。
該当する業者さんは活用を考えてみましょう。
次回、主任技術者と監理技術者の最終回です。